役員選任の際の注意
風営法は風俗営業者の身分欠格事由を定めており、身分欠格事由に該当する者は、風俗営業許可を保有する法人の役員になることができません。
もし役員が欠格事由に該当してしまうと、行政処分として公安委員会から解任勧告を受けることもありえます。
ですので、役員を選任する際には身分欠格事由に該当しないかどうかを本人に確認してもらいましょう。
選任したあとで役員の変更届出
役員が就任又は退任したときは、選任後、役員変更登記を行います。
登記が完了したら、役員の就任又は退任を証明する登記事項証明書を取得して、営業所所在地を管轄する警察署に役員変更についての届出を行ってください。
役員変更登記が完了するには10日前後の日数がかかります。
届出期限は役員の変更日から20日以内ですから、速やかに登記を行わないと届出期限に間に合いません。
変更届出を怠ることは風営法違反であり、風営法の罰則では罰金刑がありえますが、届け出期限に遅れたとしても、それに気がついたときに速やかに理由書を提出するなどして反省の意を示せば、おとがめなしとなるケースも多いですが、指示処分を受けることはありえます。
役員変更の提出書類
届出に際して提出するは次のとおりです。
・変更届出書
・欠格事由に該当しないことの誓約書(就任する方のみ)
・本籍地記載のある住民票(就任する方のみ)
・身分証明書(就任する方のみ)
・役員の就任又は退任を示す登記事項証明書
※住民票は住所を管轄する市区町村で、ご本人の分を必ず本籍地の記載のあるもので取得してください。個人番号の記載はないものが好ましいです。
※身分証明書については本籍地を管轄する市区町村で取得しますが、遠方の場合は郵送での取得になるでしょう。
同一都道府県内に複数の営業所がある場合の役員変更の届け出先警察署
同一法人が経営する風俗営業所が同一都道府県内の複数の警察署の管轄に存在している場合は、管轄する警察署の中から一つの警察署を選んで、その警察署に同一都道府県内のすべての営業所に関する変更届出をまとめて提出することができます。
ただし、実際に届出する前に、提出先の警察署に相談しておくことをおすすめします。
役員の氏名又は住所が変更されたとき
役員の氏名又は住所が変更されたときも、同様に20日以内に公安委員会に変更届出を行う必要があります。
氏名又は住所が変更されたことを証明できる公的証明書(一般的には住民票の写し)を添付して変更届出を行います。
過去に変更届出を怠っていたことが判明したとき
そもそも、役員の選任の登記を怠っていたことが法務局で判明すると、登記懈怠を理由に会社が裁判所から過料の決定を受けることがあります。
過料の額は一般的に数万円ですが、徐々に高額化しているようですので、役員選任の登記を怠らないよう注意してください。
登記は行っていたが、公安委員会への届け出を怠っていたことが判明したときは、会社から自主的に理由書を提出しつつ、怠っていた変更届出を改めて行うことになります。
会社が自主的に処理している場合では、違反処分を受けることはおそらくほとんどないでしょう。
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